妊婦さんへの鍼灸

妊娠されている方へ – 当院の治療

妊娠おめでとうございます。
嬉しさと同時に、このまま妊娠が継続するか不安な気持ちもあると思います。
ここでは妊娠初期における当院の治療について解説いたします。

ストレスを緩和して血流の循環を良くし、流産のリスクを減らす

例えばお母さんがストレスを受けると、交感神経が優位になります。 交感神経が優位になると血管を収縮させてしまうため血流が悪くなります。 すると子宮の血流が悪くなります。身体はまず自分の心臓へ血流を届けるため、結果子宮へ届きにくくなります。

痛くない鍼でリラックス効果を出しながら子宮への血流の循環をよい状態を保ちます。
※ストレスや心理社会的因子が流産のリスク因子だとする研究報告もあれば、データとして実証されていないものは原因と認知できないとう考えもあります。 答えのない結論ですが、何かと不安の多い時期。体にとっていいと思える事をして過ごせることが重要だと思います。

出血に対しての治療

原因のはっきりしない出血も多く安静にするしかないと言われますが、鍼灸治療では妊娠初期に限らず不正出血に対して治療をすることはよくあります。 染色体異常が原因ではない場合は止まることも多いと感じます。

不育症に対しての治療

抗リン脂質抗体や血液凝固因子があるためアスピリンやへパリン療法を行いながら併用して鍼灸治療を受けられている方が多くいらっしゃいます。
同種免疫異常についてはリンパ球移植やピシバニール注射を行われることがありますが、現段階では有効性は十分証明されていないのが現状です。当院の考えでは、要研究段階の分野です。東洋医学的に考察してみると「胞」と言われる部分では、異物を攻撃しないためあまり免疫が働かないようにできています。ここへのアプローチ方法が治療ポイントとなりそうです。

転座については、染色体に異常のない卵子が排卵されること(当院の良い卵子を得るための治療は、すなわち良い卵子が選ばれるための身体づくり)だと考え、妊娠前からの積極的な身体づくりを行います。

つわりや妊娠初期の諸症状に対しての治療

妊娠中の様々な症状に対して薬は極力避けたいところです。薬を使わずに治療できるのが鍼灸のメリットです。

東洋医学的に流産しやすい状態に対しての身体づくり

特に原因がみつからないため治療のしようがないと言われてしまう流産を何度も繰り返してしまう方がいらっしゃいます。
原因が見つからなくても、流産しやすいお腹や、良くない脈であるため流産してしまってもおかしくないなという状態のお身体はあると思います。そのような方はとくに、妊娠する前までの身体づくりが重要だと考えます。

刺さない鍼で行う鍼灸

脈を診てお身体の状況を把握して刺さない鍼で行う鍼灸です。
妊婦さんへの当院での治療も不妊鍼灸同様、問診で現在の週数や不調をお伺いし、脈診と腹診など体表観察を行い身体の状態を確かめ、細心の注意を払い常に鍼の刺激量を調整し丁寧に治療します。
脈の状態・お腹などの体表観察との整合性を注意深く観察しながら治療を進めていくと、行きすぎのない安全な治療ができます。

一歩一歩脈の状態や身体の変化を診て、刺激量を確認しながら、脈を整え胎内環境づくりを行います。

流産の経験がある方、不育症である場合は、治療の参考となりますので検査結果等を詳しく教えていただければと思います。
また、胎動を感じ始める頃から安産灸を取り入れております。

産前・産後を通し継続的な鍼灸治療を推奨しております。

ここでは特に、「出産前までの継続治療」について触れます。
今まで妊娠は決してゴールではありませんと言ってきました。12週頃に仮の卒業は設定してはいますが、私たちの目標は元気に赤ちゃんが生まれてくることです。

当院でご縁があって仮の卒業までされた患者さまのご出産がどうであったか、私たちはずっと気になっています。
出産は十人十色です。出産の数だけリスクがあり、リスクのない出産などありません。
もちろん安産灸や妊娠中に鍼灸をしたり、逆子治療をして逆子が戻ったとしても、残念ながら最終的に帝王切開ということもあります。

しかし、安産灸や逆子治療、安胎の治療など、先人から受け継がれてきた財産があります。
先人の知恵を活かして、私たちが鍼灸を通してお力になれることがあればとの想いがあります。
お母さんが健康でいることで、それが赤ちゃんにも影響し、そしていいお産につながってほしいという願いを込めて、妊娠中を通しての治療をお勧めしております。

妊娠中の鍼灸治療の体位

10週頃までは

今までと同じように、仰向け→うつ伏せの順に行います。

10週頃を過ぎたくらいでは

仰向け→妊婦さん用のクッションを使いうつ伏せで行います。もし心配な場合は横向きで治療を行いますので遠慮せずにおっしゃってください。

お腹が大きくなってきた頃〜臨月

仰向け時に立て膝にて治療→上記同様、臨月でもうつ伏せになれる妊婦さん用のクッションを使いうつ伏せで行います。横向きでの治療を希望される方はおっしゃってください。

※仰向け時に膝を伸ばしたまま治療をすると、大きくて重くなった子宮が下大静脈を圧迫して、心臓へ戻ってくる血流量が減って、心拍出量が低下します。すると血圧が低下します。
嘔吐、めまい、悪心などを起こす仰臥位低血圧症候群を起こす可能性があるためです。

その他の注意事項

週数、出血、お腹の張り感、飲んでいる薬などの確認を行い体位に留意する。
妊娠中の鍼灸は、強い刺激や直接的に腹部へ深く刺したり、腰まわりへの強い刺激を行わなければ通常通り治療可能だと考えます。

とりわけ妊娠中は体調も変わりやすい状態となります。
治療のしすぎというのは治療家の陥りやすいところだと思いますが、注意しなくてはいけないところです。

当然のことながら、治療は細心の注意を払い常に鍼の刺激量を調整し丁寧に治療する事が重要です。
なにより患者様が安全に安心して治療を任せられると思えることが重要だと考えます。

妊娠初期の鍼灸について

妊娠初期のはりは果たして安全なのでしょうか?

正しく行えば安全で、つわりや便秘などの体調不良にも副作用なく受けられるので有用なものです。

妊娠初期にはりをするのは不安だと思われる方もいらっしゃると思います。
実際に治療ではどこにどんなことをされるのか「分からない」と不安に感じるのは当然です。
「得体の知れないもの」に対しては誰しも不安に思います。

妊娠初期には禁忌とされている施術部位や、流産の危険があるため避けた方が良いとされているツボがあります。

当院で行う「はり」は、本来の自分自身の持っている生命力を上げる治療です。東洋医学的に何故・どうなっているのかを把握し、気の調整をすることで元々持っている自分自身の身体の健康な状態に近づける治療です。気の調整が目的のため、リスクの高いツボはおろか、鍼もほとんど刺さずに(接触するだけ)治療を終える事ほとんどです。

妊娠初期に鍼を受けられる患者様にとっては、この時期に刺さない鍼を受けることはより安心感があるようです。

では刺さなければ、危険度の高いツボでも使うのかというと使いません。
刺さないとしても、もちろん身体に対する影響が大きいためです。
はりをするならば、しっかりと東洋医学的に診察して鍼をすることが重要です。

さて、妊娠初期のはり治療で気になることは、

1.鍼灸をしたがために流産につながる可能性があるのか。

2.鍼灸をすることで流産の予防になるのか。

等でしょうか。

まず1.の「鍼灸をしたがために流産につながる可能性があるのか」についてです。

一番多い妊娠初期の流産の原因は受精卵の染色体異常です。
この場合は着床して、しばらくお腹の中で育つことができたとしても、最終的にはほぼ流産となってしまいます。
このように、受精卵の染色体の異常が原因の場合、はりで流産の防止をすることはできません。
流産の原因はお母さんの行動が原因とは関係のないことがほとんどなのです。

鍼灸治療の正しい知識を持って、適切な治療を行えば妊娠初期の鍼灸は安全だと考えます。

次に2.の「鍼灸で流産を防止できるか」についてです。

母体側に、必然的に流産を起こしてしまう原因がある場合も流産を防止する事が難しいように思います(ただし免疫の異常の場合などが原因の場合、はりで対処できるか要研究です)。
また1.で述べた染色体異常の場合は鍼灸で防止できない流産です。はりをすると副交感神経が優位になります。

例えばお母さんがストレスを受けると、交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると血管を収縮させてしまうため血流が悪くなります。
すると子宮の血流が悪くなります(身体はまず自分の心臓へ血流を届けるため、結果子宮へ届きにくくなります)。
うまく鍼灸などを活用して副交感神経を高めるといいでしょう。ストレスを緩和できればはり灸じゃなくてもOK。

また、東洋医学的に考えても血(けつ)が足りない方は流産しやすいように思います。子宮に血が足りないような状態では流産しやすいのです。
この様な場合は、不育症などの必然的に流産をしてしまう状態とは違い、現時点での身体の土台が流産しやすい状態なだけなのです。例えばよくぎっくり腰を起こす人は、ぎっくり腰を起こしやすい身体の土台があるのです。東洋医学ではこの身体の土台を流産しにくい土台に変え(身体づくり)しっかりさせていくわけです。

このように薬も使わず妊娠初期の諸症状やつわりに対処できる鍼灸は安全に、妊娠初期の健康管理のためにも積極的に活用できるものだと思います。

不妊鍼灸ブログ「妊娠初期の鍼灸は本当に大丈夫なのか?」でも詳しく書いています。

動画で説明 – つわりの時にお灸

①足の人差し指のふくらんだところにマジック(墨)を塗る②指を折り曲げてインクのついたところに紫雲膏をぬる③お灸をすえる④お灸をすえ始めて熱くなってから3壮すえて終了まで、わかりやすく動画で説明しておりますのでご覧ください。

          

安産灸について

安産灸の開始はいつからかというと、当院では概ね胎動を感じてしばらく経った頃から始めます。
しかし、「複数回流産した経験がある方や、どのような経緯で体外受精をしたか」によって患者様によって安産灸をスタートする時期を変えています。

安産灸の開始は、患者様のお身体の状況に応じて!です。

安産灸のツボは、三陰交という経穴(ツボ)にお灸をして頂いております。
直接「もぐさ」をひねってすえるお灸です。すえ方を治療時に一緒に練習しますのでご安心ください。
つわりの時も逆子の時も安産灸と同じ方法のお灸をしますので、一度覚えてしまうととても便利です。

産婦人科医の石野信安先生は「逆子の灸」と「安産の灸」を発表されており、詳しく触れておりますので、もし書店でお目にかかったら手に取って読んでいただくと参考になります。

動画で説明 – 安産灸のしかた

安産灸のことを、わかりやすく動画で説明しておりますのでご覧ください。

          

そあら鍼灸院の逆子治療

逆子治療の手順についてご説明いたします。

問診
病院、出産経験の有無、週数、大きさ、羊水の量、生活習慣、愁訴などの確認
腹診
頭の位置、背中の位置、お尻の位置、足の位置の確認。頭の方が大きく触れます。お尻の方がやや小さく鋭角に触れる感じ。 その他、足の浮腫の状態も重要。
治療
通常の治療+逆子治療(+その他症状があればその症状に対しての治療)。
妊娠中の治療にも書きましたが、妊婦さんへの治療は細心の注意と刺激量を確認して行う事が特に重要。

※通常の治療も必要なのか?

逆子治療でも、もちろん女性として健康であることが大切です。お母さんの健康があってこそ、赤ちゃんにとって居心地のいい胎内環境へとつながり、逆子が戻りやすいベースがつくられます。その上で逆子治療を行うとより効果的です。

逆子の鍼灸治療の方法

①脈診と腹診、体表観察、現在現わしている症状を確認して、脈を診ながらツボを確かめて刺さない鍼を行います(いつも行っている治療と同じです)。

②そして逆子の灸を行います。赤ちゃんの位置によりお灸をする治療側が変わります。

③その他の辛い症状がある場合は、その症状に対しての治療を行います。この場合も症状にもよりますが基本的には刺さない鍼となります。

動画で説明 – 自宅でのお灸のしかた

自宅でのお灸が大事です!治療の最後に自宅で行うお灸を一緒に練習します。
ご自身で簡単に行えるよう「逆子の灸セット」をお渡ししております。治療後に一緒に練習いたしますのでできるようになりますよ。今後、予定日が過ぎているのになかなか産まれない時に行うお灸としても使えますので、一度覚えてしまうと便利です。ちなみにつわりの時も同じようにお灸をすることで対処できます。
まずは下記動画もご覧ください。

          

逆子治療の留意点

28週以降で逆子と診断されたら、なるべく早めに治療を行う(遅くなるほど戻り辛くなります)

2妊婦さんへの治療同様、細心の注意を払い行う。強い刺激や直接的に腹部へ深刺し、腰まわりへの強い刺激は避ける。

2出血やお腹の張りの有無をよく把握する

2治りにくい逆子

子宮や骨盤の形状によるもの、子宮筋腫、臍帯巻絡など※臍帯巻絡は約4人に1人の割合で起こります。原因は赤ちゃんの活動が活発な場合や臍帯が長い場合です。
なお、超音波ドプラ法という赤ちゃんの血流の状態を測る検査で、血流障害を起こす程の巻絡かどうかはこれで推測します。

骨盤位(逆子)とは

28週以降で頭が恥骨側にあって、臀部や足が上腹部側にある場合を「正常位」「頭位」
頭が上腹部側に臀部が恥骨側にある場合を「骨盤位」、いわゆる「逆子」といいます。

「逆子」には、殿位、膝位、足位があります。
分娩時のリスクが高い順として、足位、膝位、殿位となります。初めに出てくる部位が大きいほどリスクが低くなります。

逆子の考えられる原因

多くは原因不明なのが実情です。
その他、子宮の形(単角子宮、双角子宮)、骨盤の形、子宮筋腫、前置胎盤、羊水過多・過少、多胎など

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